スマートフォンの賢い買い方を考える

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目次

スマートフォンの歴史について

そもそも、スマートフォンとはなんだろうか?つい10年程前には存在しなかった単語だとおもう。1990年代末~2000年初頭は、携帯電話の主流がストレート型から折り畳み型になり、電子手帳がスケジュール管理や、ユーザーが必要な機能を各々拡張して利用できるPDA(携帯情報端末)が全盛期だったと記憶している。携帯電話+PDA が、現在のスマートフォンの原型といえるのだと思う。もっとも、世界的にみても爆発的な普及となったのは、携帯音楽プレイヤーである Ipod と 通信 の融合である iPhone(2007年6月9日) の誕生が、最大の役割を果たしたことは間違いないと考えている。日本国内では、2005年にシャープとマイクロソフト、ウィルコムの共同開発で、「W-Zero3」という ハンドヘルドPCに通話機能を搭載した、いわば通話、通信のできる携帯パソコンが発売されている。それまでインターネットを利用するには、まずはパソコンの操作をある程度理解できなければ、インターネットへの接続ができないため、ハードルは決して低いものではなかった。しかしiPhone が革新的だったことは、【アイコンのタップ】をすることでいとも簡単にインターネットの世界に接続できる状況を生み出した。(インフラ整備する通信事業者などの貢献も大きいが。)

インターネット=必須社会インフラになった瞬間

これまでは、インターネット=パソコン+ネット環境と費用的にもかなりの投資が必要だったのは言うまでもない。手軽に持ち運べる端末+インターネットの恩恵は開発途上国を含め、世界的にインターネットへの接続で成り立つ様々な各種サービスが生み出され、各国でのインフラ整備も推進されてきている。いまや、インターネットにつながる環境さえあれば、翻訳アプリ等を活用することで、初めての渡航先でも、通訳やツアーコンダクター等に頼らなくても、はるかに意思疎通が容易に可能となった。(多少の苦労は伴うが。。)

つまりスマートフォンとは、【携帯電話(電話部分) + インターネット + ソフトウェア(各種アプリ)+ パソコン(ハードウェア部分)】が構成しているというわけだ。

スマートフォンの電話機能

では、スマートフォンを電話の視点で考えてみたいと思う。スマートフォン、携帯電話も無線通信によって音声を信号に変換し電波に乗せて基地局と通信している。これまで、アナログ方式(第1世代)、デジタル方式(第2世代以降)へと電波使用帯域や通信方式などの改良を経て改良がされてきた。アナログ方式時代は電波の強度により、弱いと音声にノイズが入る等の問題点もあった。デジタル方式に変わり、音声通話はノイズキャンセリング等の機能により、よりクリアな通話が可能となった。しかし、この当時の通話品質からは、音声データの圧縮等はより進化しているが、大きな変化はない。電話としての進歩は見られない。ある言語で話すと、受け手側の使用言語に応じて、翻訳してくれるような機能を持つ端末がいずれ出てくるだろうが、電話部分に関して言えば、踊り場状態である。

スマートフォンのインターネット機能

スマートフォンのインターネット機能について考えてみる。スマートフォンのインターネット?と思われる方も多々いるかと思うが、iOS の Safari や Android の Chrome は インターネットに接続し、WEBサイトなどの情報を表示するためのアプリケーション部分だ。この項では、アプリケーションではなく、インターネットに接続する機能そのものについて考えてみたい。スマートフォンのインターネットに接続する機能は、SoC と呼ばれるチップに搭載されたモデムが基地局との通信を行っている。つまるところ、SoC に組み込まれているモデムによって、通信できる速度や、使用する電波帯域等おのずと制約がかかっているのだ。この モデム や基地局の性能によって、最大通信速度が下り 150Mbps や225Mbps、300Mbpsといった通信速度になっている。当然、最新の ハイエンドモデル向けの SoC は、開発時点で最速規格のモデムを搭載していることが多い。

スマートフォンのソフトウェア(各種アプリ)

ここでは、オペレーティングシステムとしてのソフトウェア、各種アプリを合わせて考えてみたい。2017年初頭時点で世界のスマートフォン用オペレーティングシステムの比率は、Android 約80%強 iOS 約20%弱 その他OS 数%となっている。日本で圧倒的な支持を得ている iPhone は世界から見ると少数派でしかない。これは、安価で高性能な端末等選択肢が豊富な海外では、iPhone そのものが他の端末と比較しても高価な事が大きな理由なのかもしれない。そして、有名なアプリは Android / iOS 共にリリースするため、どちらのプラットフォームのスマートフォンを使用してもアプリで困ることはないだろう。Android スマートフォンでは、メーカーが OS内部に独自機能を組み込む等のカスタマイズを行っているため、セキュリティやAndroid そのもののアップデートが滞りがちになることが多い。バグやセキュリティホールが発見されること自体、ソフトウェアのリリースから暫くの時間が経過した後ということが多いため、アップデートを含めたサポートをどのくらいの期間継続してくれるのかが、情報端末を使う側(利用者)がよく考えて利用していただきたい。

スマートフォンのハードウェア

冒頭では、スマートフォンは【携帯電話(電話部分)+ インターネット + ソフトウェア(各種アプリ)+ パソコン(ハードウェア部分)】とかなり乱暴にまとめたが、パソコン部分について、この項で考えていきたい。パソコンとはパーソナルコンピューターの略なのは、皆さんはもう十分に承知していただいていると思う。パソコンの構成要素として、出力装置(ディスプレイやプリンター)、入力装置(キーボードやマウス、マイク等)、処理装置(CPU)、主記憶装置(メモリー)、補助記憶装置(HDDや光ディスク等)があり、必要に応じ各種機能を追加して利用しているわけですが、スマートフォンの構成要素もパソコンとほぼ同じ構成になっています。大きな違いは、キーボードやマウスなどの入力装置をタッチパネルにより代替していることで入力装置と出力装置を兼用しています。また、処理装置(CPU)も単体ではなく、各種機能(タッチパネルコントローラやI/Oコントローラ、モデム等)を盛り込んだ SoC に置き換わっています。まさにスマートフォンの構成要素は、持ち運びできる パソコン+電話 と言い換えることができると思います。

パソコンとしてスマートフォンを考える

この項では、パソコンとしてスマートフォンを考えていきます。構成要素はほぼ同じである事はスマートフォンのハードウェアの項で説明しました。概ね、スマートフォンで出来る事はパソコンでもできますし、その逆も可能です。(一部の端末情報を利用するアプリを除きます)

常に携帯し、必要な時にサッと取り出して利用できるスマートフォンは大変便利なツールで、既に無くてはならない存在になりつつあります。

パソコンとスマートフォンの最大の違い

パソコンは各構成パーツを交換することや、故障したパーツを交換したり、オペレーティングシステムをアップデートすることで、性能をアップグレードしたり、機能を追加する事で、比較的長期間の利用することができます。携帯電話が発展し機能が追加されてきたスマートフォンでは、性能向上等のアップグレードがほとんどできないことがスマートフォンの致命的なポイントです。ディスプレイが割れたり、ボタンが壊れたりすると、スマートフォンの機能の一部、または全部が利用できなくなってしまいます。

アップグレードできないパソコンと割り切る

2016年の統計調査によると携帯電話料金が1回線当たり月額7~8千円の支払いとなっているようです。3大キャリア( docomo / SoftBank / au )で契約する場合、24カ月継続契約の自動更新プランやパケット通信パックに一定量以上の契約が事実上必須となっている場合が多い(端末を安く購入する割引施策を考慮しなければ契約可能)と思います。

2年で約18万円の端末代+インターネット代に置き換えて考えることで「アップグレードのできないパソコンとして割り切って」スマートフォンを考えてみましょう。端末代金+通信インフラ代として妥当な金額と思えるでしょうか?

24カ月毎にMNP転出し、端末買替はもう古い

3大キャリアでは、24カ月継続契約による顧客の囲い込みや、MNP転入者への各種割引施策やキャッシュバックを実施することで、回線純増数を競い合っていた時代があります。この当時は、キャリアが純増数を競っていたため、スマホ未所有ユーザーと他社契約者のMNP転入獲得に重きを置いた施策であったため、既存ユーザーは新規契約やMNP転入者と比較すると割引差額分高い利用料金を払う仕組みになっていました。言い換えれば、24カ月の契約期間満了後、MNPで他の2社へ契約変更すれば、お得に利用できたわけです。実際、契約回線数やプランによって、月額3円程度のユニバーサルサービス料金だけで回線を維持することが可能でした。このしわ寄せが、既存ユーザーの利用料金が高止まりしている原因、「実質0円等の新規顧客獲得のため行き過ぎた割引施策に起因するもの」と総務省は判断したようです。実際には、端末購入時の割引やキャッシュバックなどの施策が、データ定額利用料金や基本料金等から割引になるため、見かけ上の利用料が安くなっているのですが、割引前の料金は各社8000円程度の費用が必要です。しかし、普及率の上昇に伴い、新規契約やMNPで3社間の顧客奪い合いでは安定した事業運営にならないため、方針転換の必要性に迫られることになります。総務省指導により、実質0円が廃止の指針が2017年1月10日策定されました。この指針では、実質0円の廃止、SIMロック解除を100日程度(割賦時)または即日(一括時)に短縮することが大きなポイントとなりそうです。携帯電話キャリア各社はこれら指針に対応した新たな料金プランへの切替と春の学割商戦に向けたプランを併せてキャンペーン展開しています。3G ではパケット通信上限がない定額料金でしたが、4G 高速通信では一定のデータ転送量として料金体系の転換がはかられました。インターネットの利用方法も、これまでの文字やデータの通信から、動画や音楽などのストリーミング通信により飛躍的に通信データ量が増えました。そのため、月間通信データ量が概ね 7GB 到達時点で 通信速度が200Kbps 程度の低速制限がかかる現在のデータ通信プラン体系に移行します。そして、2016年よりデータ通信料が10GB、20GBまで制限のかからない大容量プランを展開しています。それまで、7GBで5,500円程度だったものが、+500円、+1000円で10GB、20GBと大増量されるので、お得感がありますよね。概ね料金は3大キャリアのプランは最終的にほぼ横一線になるため、大きな違いはさほどありません。そして、2017年の学割商戦に向けての見直しがありましたので、実質0円等の端末はほぼ姿を消したとみていいでしょう。つまり、24カ月利用後にMNP転出・転入するメリットであった最新端末を安く購入することはできなくなったと考えたほうがよいでしょう。では、今後どうすれば賢くスマートフォンを利用できるのか一緒に考えていきましょう。

スマートフォンの賢い買い方を考える

現在、スマートフォンを利用されている多くの方は、3大キャリア( docomo / SoftBank / au )で販売されるスマートフォンを利用されていると思います。欲しい端末がある場合を除き、店頭で店員さんのおすすめに言われるがまま契約している方が圧倒的に多いとおもいます。契約プランや、基本料金の割引に絡めた端末の割賦販売、自動継続契約による割引施策など複雑難解な説明をされるので、聞き流している方が大多数だとおもいます。また、店頭での長時間の説明により理解できない状態陥りやすい為、理解するには事前に検討することが必要です。

 3大キャリアに対するこだわりがある方

特定のキャリアに対しての愛着(各社の経年契約に対する割引やポイント)がある方は、残念ながら価格を抑えることはできないと考えてください。新規で、各種割引を勘案しても、1回線5~8千円程度の費用は必ず必要です。自身のキャリアに対する愛着料金だと思えば、安いものですよね?ただし、下のグラフを見てもキャリアへの愛着は揺らがない自身がありますか?

一例としてiPhone 7 32GB (端末購入+回線新規契約+5分通話無料プラン+データ通信料5GB+端末購入割引 その他各種割引施策を含まない)でグラフ化(本来の正規料金)してみました。3大キャリアでの費用(月額基本料、データ通信料5GB、割引施策等)は、固定回線等(インターネット、電話回線、電気、ガス)のセット契約がない限り、概ね大差がないと考えてください。基本契約が自動更新型の24カ月契約(通称:2年縛り)の為、25か月間でグラフ化しています。

3大キャリア:

iPhone 7

3大キャリアは、端末の販売、電話、通信サービス会社ですので端末を販売しないことには、自社のサービスを提供できません。ですから、本来の割賦販売で必要な金利、手数料が、スマートフォンや携帯電話等の端末ではほとんどありません。固定回線等の契約があると割引額が増額されるため、本来の正規料金が\8,000-程度必要な契約でも▲\1,500-程度の割引が発生し、\6,500-程度に費用が抑えられる点が特徴です。月額費用が\8,208-となり、25カ月間で支払総額は\204,552-になります。

通信費用を抑えたい方

SIM ロック解除義務化の流れも受けて、MVNO(格安SIM)各社CMも多数見かけるようになりました。その功も奏して認知度はかなり向上しましたが、利用にまで至らない大きな要因は、一言でいえば「格安SIMってよくわからないので不安」の1点に尽きると思います。通信費用を抑えたいと考えてはいるものの、一歩を踏み出せない皆さんのために詳しく説明したいと思います。最大の相違点は、低く抑えられた利用料金だと思いますので、3大キャリアと同じ条件、iPhone 7 32GB(端末購入+月額基本料+5分通話無料プラン+データ通信料5GB、割引施策等は含まない)でグラフ化してみます。MVNO各社はSIMフリー端末と回線のセット販売もしていますが、iPhone 7 は対象外です。Apple Storeで端末を一括、割賦どちらで購入しても変わらないため、一括で購入を前提にしています。

MVNO(格安SIM):

iPhone 7

1カ月目の支払い額は\78,624-(端末代金) + \2,322-(基本料+通話5分定額)で¥80,946- となりますが、以後月額料金は、\2,322- となります。25カ月間での支払総額は¥136,674-になります。3大キャリアとの差額は、▲¥67,878- の差額が発生します。当然、MVNO事業者での最大の特徴がこの低料金となりますが、問題点になる可能性のポイントがあります。

実店舗が少ない

オンラインでの対応がメインになるため、実店舗展開しているMVNO事業者は少ないです。

サポートは電話やオンラインチャットがメインになる

基本的に端末のトラブル等含め、自己解決できるスキルや知識が必要です。また、3大キャリアでは実店舗で対面でのやり取りができますが、MVNOでは、前述のとおり実店舗がないことからサポートは電話がメインになります。端末故障等の対応は、Android スマートフォンを含め、販売元サポートセンターとやり取りする必要があります。3大キャリアでも iPhone ユーザーは、 Apple と端末故障対応を直接やり取りした経験のある方が多いと思いますので、iPhone はキャリア、MVNO問わず自己対応となります。3大キャリアとの最大の違いは、端末故障時の代替端末の貸出しがありません。25カ月のシミュレーションで、iPhone 7 もう1台買える程度の差額が発生しているので、格安端末をもう1台買ってもいいのではないでしょうか?

設定等は自力で行う。

3大キャリアでは、端末購入時点で一通りの設定を店頭で行ってくれます。MVNO事業者の場合は、端末は端末、回線は回線と個別で購入や契約するため、自分で設定する必要があります。ただし、SIMフリーとして販売されているほとんどの端末は、初期プリセットとしてほとんどのMVNO事業者の設定が登録されていますので、SIMカードを端末に挿入し、開通登録すればすぐに使えるようになります。

実効通信速度がキャリアよりも落ちる時間帯、場所がある。

3大キャリアは日本の総人口をカバーする為、山間部も含めて設備投資をしています。都心部は人口密度も高く設備も充実していますので基地局を複数つかむCA(キャリアアグリゲーション)という機能を活用し通信速度を維持しています。一方地方では都心部ほど基地局数も多くないため、つかめる電波は1基地局でしょうから、多くのユーザーが1基地局に集中した場合、通信速度の低下が考えられます。各キャリアは通信速度低下を回避すべく基地局の増設や回線増強等の設備投資を行っていますが、時間帯によっては通信網に過剰な余裕が生まれます。この3大キャリアの余剰通信能力を、各MVNO事業者は間借りしてサービス展開していますので、キャリアと比較すると速度が落ちることがあるようです。各MVNO事業者が間借りした回線にユーザーをどの程度詰め込むか、またユーザーの使用程度によっても、速度が変わるためMVNO選びは価格だけではない品質面にも注意を払う必要があります。

3大キャリアの端末価格が安いモデルの場合

docomoよりMono MO-01Jという端末が発売されました。(2016年12月9日)docomo初のオリジナルスマートフォン、各種割引後 \648- という超低価格端末としてかなりの注目を集めました。docomoに限らず、3大キャリアは携帯電話メーカーに対しそれぞれのオリジナル要素を盛り込んだ端末を開発させ店頭販売してきましたので、オリジナルなの?という思いもある超低価格スマートフォンですが、実際の支払額はどうなのでしょうか?シミュレーションしてみたいと思います。(端末購入+回線新規契約+5分通話無料プラン+データ通信料5GB+端末購入割引 その他各種割引施策を含まない)

3大キャリア:

格安端末

はい。初月に端末代金¥648- 一括払いの金額分が加算されています。月々の通信料¥7,560-のため、25カ月で支払総額は \189,648- となります。

まとめ

端末代金の差額が¥49,896- もあるキャリア開発の低価格端末と最新 iPhone でも総支払額の差は\14,904-しかありません。これは、iPhone の販売の為に多額の購入補助を行っていると見て取れます。または、MO-01J の端末価格自体が安い為、補助額が少く月額維持費が最終的な支払額の差を縮めたとみれますね。端末自体の価格が2倍以上も開きがあり総支払額で約1.5万円では、契約満了時の下取り金額もMO-01Jは無価値になっている可能性が高いですね。

  • 3大キャリアにこだわるならば、端末は購入補助が多くなる端末を選ぶべし
  • 間違っても旧型モデルや低価格ラインナップを買うべからず
  • スマートフォンの買換えを検討しているならば、好きな端末を購入し、迷わずMVNO(格安SIM)を選ぶべし
端末シミュレーション 25カ月総支払額
iPhone 7 32GB docomo 新規 (端末代¥82,296-含む) \ 204,552-
iPhone7 32GB MVNO 新規(端末代¥78,624-含む) ¥136,674-
Mono MO-01J 新規 (端末代\32,400-含む) \ 189,648-
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