SoC の性能と コア数

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昨今のスマートフォンで利用される SoC の大多数は イギリス ARM社の設計する ARM アーキテクチャ というCPUに各社開発する通信用モデムなどの機能を拡張し、一つの半導体パッケージとしてスマートフォンに搭載されています。SoC の性能一覧をまとめている時に不意に気づいてしまった矛盾について、パソコンやスマートフォンの内部に疎い方にこの記事をお送りします。

目次

コア数と呼び方の一覧

コア数 呼び方
2コア デュアルコア
4コア クアッドコア
6コア ヘキサコア
8コア オクタコア
10コア デカコア
12コア ドデカコア

 性能とコア数の関係

一般的に 半導体のコア数が増える = 性能向上する と認知されているとおもいます。正しくもあり、間違いでもあるのでこの点について説明していきたいと思います。

2016年~2017年の スマートフォン市場では コア数拡張型(2コアより4コア、4コアより6コア、6コアより8コア…)と、性能向上型(同じ2コアでもより新しいアーキテクチャや、動作周波数等の性能向上することでコア数変化がない)の混在状態になっています。同じアーキテクチャ同志であれば、コア数は多ければ多いほど、性能(動作周波数)が高ければ高いほど高性能であると言えます。しかし、前述のように混在状態となっている市場の為に、一概にその法則が適用できません。今後も、こうした状況が続く可能性もあるため、スマートフォンを利用するユーザーもスマート(賢く)に利用する必要がありそうです。

 2016年~2017年初でのトレンド

2016年初からコア数拡張型トレンドの為か、スマートフォンの特長として【クアッドコア(4コア)やヘキサコア(6コア)、オクタコア(8コア)搭載】と強調した文字が躍る店頭POPをよく見かけました。それ以前のデュアルコアより当然、性能は向上しています。しかし2016年中頃より、ハイエンド向けに供給される SoC は クアッドコア(4コア)が主流です。Apple A10 Fusion や Snapdragon 820/821 もクアッドコアです。では、ハイエンド向けがなぜ、クアッドコアで、多コア(6~10コア)SoC は ハイエンド向けではないのでしょうか?

この解には、半導体製造側の技術的課題や、開発・製造コスト、諸々絡んでくるため割愛しますが、最新の SoC では高速動作をさせても発熱が抑えられる様に最新の半導体技術が盛り込まれているため、4コアでも8コア以上の処理性能があります。

 多コア SoC と 高性能 SoC のからくり

8コアや10コア等の多コア SoC は常時すべてのコアを使用しているわけではありません。処理性能を必要とするアプリ等を実行している時は高性能な4コアを使用し、スタンバイ状態等の処理性能が必要ではないときには、超省エネな4コアを使用する等、負荷に応じて使用するコアを内部で切り替えて、スマートフォンを長時間利用できるようにしているのです。一方で、高性能 SoC は 超省エネなコアを持たない代わりに、負荷に応じて動作周波数を変化させることで、バッテリーの浪費を防ぎます。結果、高性能 SoC は諸々の最新のアーキテクチャや製造技術を活用するため、コストも高くなるのです。

まとめ

スマートフォンは通話可能なパソコンと思うべし

ハイエンド SoC は、前述のとおり最新の技術やアーキテクチャを盛り込みます。新しい技術の開発などで、SoC を含むスマートフォンは、概ね1年サイクルで後継機種が発売されています。現在のハイエンドモデルは、1年後でもハイエンド~ミドルレンジ、2年後でもミドルレンジ~ローエンド、3年後でもローエンド~エントリークラス程度の性能を維持していると推測できます。アプリや電波(周波数帯域)などスマートフォンを取り巻く環境が少しずつ規格を含めて変わっていくため、高価なモデルでも物理的な故障がない限り長期間の利用が可能です。10万円の端末であっても、4年程度の利用を前提にすると1年あたり2.5万円になります。ハイエンド端末であれば、1年後に売却することも可能です。ローエンドやエントリークラスのスマートフォンでも、1~2万円する上に動作にもたつきがあったり、カメラ性能が劣るなど1年単位で買い替えるとランニングコストは、ほとんど変わらなくなってきますし、何より売却したくても買取してくれる業者さんもいないことが多いです。快適に利用できるスマートフォン=高性能、高機能端末 を購入するか、コストパフォーマンスに優れた端末をコンスタントに買い替えることを個人的には推奨します。

  • 各種ベンチマーク(性能を数値化するアプリ)結果を確認し、最高性能の端末を購入する
  • 最高性能スマホの50%程度の性能があり、ローエンド程度の価格のコストパフォーマンスが優秀な端末を購入する
  • 端末をよく落として壊す方は、ローエンド~エントリークラスの端末を購入する
  • キャリア( docomo / au / SoftBank )にコダワリたい方は、最新のハイエンド端末を購入する(詳細は SIM サイト で解説します)
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